レンジフードと換気扇の違いとは? それぞれのメリット・デメリットを解説
キッチンの煙や蒸気を吸い取り、屋外へ排出する設備としてレンジフードや換気扇が挙げられますが、この2つには違いがあることをご存知でしょうか。今回は、レンジフードと換気扇のそれぞれの特徴や違い、レンジフードと換気扇を設置した場合のメリット・デメリットなどについてご紹介します。
■レンジフードと換気扇の特徴 シロッコファンとプロペラファンとは?
一般的に、レンジフードには「シロッコファン」と呼ばれるタイプが多く、換気扇は「プロペラファン」と呼ばれるタイプが多く採用されています。それぞれのタイプについて、わかりやすく解説します。
レンジフードはシロッコファンタイプが多い
レンジフードに多く使用されているシロッコファンタイプとは、レンジフード内部にある羽根(ファン)の形状をさしています。シロッコファンタイプは縦型の羽根が筒状に付けられており、ダクトを通じて空気を屋外へ排出する働きを持っています。
また、レンジフードの外側にあたるフード部分には、3つの種類があります。それぞれの種類は以下の通りです。
ブーツ型
コンロを覆うような形のブーツ型は、多くの住宅でよく見かけるタイプのレンジフードで「スタンダード型」とも呼ばれます。フード部分が大きく換気能力が高い特徴を持ちますが、大型のため取り付けには十分なスペースが必要です。
スリム型
フードの部分が薄いスリム型のレンジフードは、近年人気の最新型モデルです。フード部分がブーツ型のように張り出していないため、キッチンをすっきりとした印象に見せられます。フィルター部分のお掃除が簡単なのもこのタイプの特徴です。
フラット型
フラット型は天井からの縦幅が短く、コンパクトな形状のレンジフードです。天井の低い住宅や、キッチンの狭い住宅などで多く採用されています。
換気扇はプロペラファンタイプが多い
多くの換気扇に使用されているプロペラファンタイプとは、扇風機や飛行機のプロペラに似た形状のファンをさしています。シロッコファンのようにダクトを通さず、羽根を回すことで室内の空気を直接屋外へ排出します。 プロペラファンは一戸建てや飲食店のほか、築年数の古い低階層の集合住宅に多く設置されていました。近年の高層マンションなどではシロッコファンタイプが主流ですが、プロペラファンのシンプルな構造と排気力の高さは、現在でも根強い人気があります。
■レンジフードと換気扇の違い メリット・デメリットは?
次に、レンジフード(シロッコファンタイプ)と換気扇(プロペラファンタイプ)のメリット、デメリットについて見ていきましょう。
レンジフード(シロッコファンタイプ)のメリット・デメリット
シロッコファンタイプのレンジフードを設置した場合のメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
レンジフードは換気扇に比べると見た目がスタイリッシュで、稼働時の音も静かです。ダクトを通して換気するため、屋外に面していないキッチンにも設置が可能で、外気のホコリや騒音も遮断できます。
プロペラファンより電気代も割安となることが多く、現在主流の換気設備だといえるでしょう。
デメリット
レンジフードの種類にもよりますが、換気扇よりも大型となるため設置にはある程度のスペースが必要です。また、一般的に排気力はプロペラファンよりも弱く、部品が多いのでお掃除にも手間がかかります。
換気扇(プロペラファンタイプ)のメリット・デメリット
プロペラファンタイプの換気扇を設置した場合のメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
プロペラファンタイプはダクトを介さず、直接屋外へ空気を排出するため排気力が高い特徴を持っています。シンプルな形状で簡単に取り付けられ、部品が少ないため価格もリーズナブルで、シロッコファンタイプよりお掃除も手軽です。
また、ダクトを通せばどこにでも設置できるレンジフードと違い、取り付け自体は容易ですが設置場所が限られます。見た目も昔ながらのイメージがあるため、スタイリッシュさに欠ける点もデメリットとなっています。
デメリット
プロペラファンタイプはシロッコファンタイプに比べると、稼働時の騒音が大きくなりがちです。屋外と接しているため外気の影響を受けやすく、風の強い日には排気力が弱まったり、外気のホコリや騒音を拾いやすかったりします。
また、ダクトを通せばどこにでも設置できるレンジフードと違い、取り付け自体は容易ですが設置場所が限られます。見た目も昔ながらのイメージがあるため、スタイリッシュさに欠ける点もデメリットとなっています。
■まとめ
キッチン周りの換気設備には、シロッコファンタイプのレンジフードとプロペラファンタイプの換気扇があり、それぞれ構造や特徴、メリット・デメリットなどが異なります。 キッチンスペースや屋外に面した間取りなど、住まいの条件によって設置できる換気設備が決まっている場合もありますが、近年人気のレンジフードは静かでお洒落な反面、内部のお掃除に手間がかかる難点もあります。レンジフードのお掃除に困った場合は、プロによるクリーニングを利用してみるのも1つの方法です。