蜂の巣を作らせない!庭やベランダの掃除・整理整頓で蜂対策する方法を解説

春から秋にかけて、蜂の活動が活発になる季節がやってきます。庭やベランダ等に蜂の巣が作られることが増え、家族やペットにとって危険な状況が生じることもめずらしくありません。
特に今、7~8月からは蜂も攻撃的になりやすく、刺されるリスクも高まる季節です。
そんな時期、毎年おびえて過ごすのは嫌ですよね。しかし、適切な掃除や整理整頓、庭のメンテナンス等を行うことで、蜂の巣が作られるのをできる限り防ぐことが可能です。
本記事では、蜂の巣作りの対策として、庭やベランダ等の掃除・整理整頓で気をつけるべき項目について解説します。自宅周辺の安全性を高めることで、ご自身や家族を守ることが可能ですので、参考にしていただければ幸いです。
蜂の危険性とは!?
蜂は、害虫の捕食や、植物の受粉をするなど、自然界で重要な役割を果たしています。他にも「蜂蜜」もありがたく頂いていますね。
しかしその一方で、人間にとっては時に危険な存在ともなります。
何となく危険なことは分かってるし、刺されたら痛いことも分かっている。でも、具体的に何が危険か分からない……という方に向け、最初に蜂の危険性について触れておきたいと思います。
蜂の種類とその特徴
蜂には多くの種類があり、それぞれに特徴があります。主に人間に影響を及ぼす蜂の種類を以下に紹介します。
- スズメバチ
攻撃性が強く、その毒性も高いことで知られています。体長は2〜3センチほどで、大きな巣を作ることが多いです。スズメバチは巣を守るために積極的に攻撃してくるため、注意が必要です。 - ミツバチ
花粉を運び、受粉を助ける役割を担っています。通常は攻撃的ではありませんが、巣を守るためには刺してくることがあります。ミツバチの毒はそれほど強くありませんが、刺された後も針が残るため、適切な処置が必要です。 - アシナガバチ
細長い体を持ち、木の枝や建物の隙間などに巣を作ります。攻撃性はスズメバチよりも低いですが、刺激を受けると刺してきます。毒性は中程度で、刺された場合は痛みと腫れを引き起こします。 - クマバチ
体長は約2〜3センチと大きく、黒い体毛が特徴です。攻撃性は低く、人を刺すことはほとんどありません(雌のみ毒針を持つ)。花の蜜を主な食物とし、花粉の運搬にも貢献しています。しかし、巣を刺激すると防衛行動に出ることがあります。毒性は低いですが、刺されると痛みを伴います。
この中でも、スズメバチやアシナガバチ、ミツバチの被害が多いとされます。特にスズメバチは、多くの種類があり、獰猛で大変危険な種類もありますので要注意です。
蜂の毒性
蜂は刺されれば痛いだけでなく、毒を持つことがあります。蜂の毒は種類によって成分や効果が異なりますが、一般的には以下のような成分が含まれています。
これらの毒性もまた、蜂が危険な理由と言えるでしょう。
- 酵素類
蜂の毒にはヒアルロニダーゼやホスホリパーゼA2などの酵素が含まれています。これらの酵素は細胞や組織を破壊し、痛みや腫れを引き起こします。 - ペプチド類
ペプチド類にはメリチンやアパミンなどが含まれており、これらは神経系に作用して痛みを引き起こします。また、血管を拡張させる効果もあり、刺された部分の赤みや腫れを引き起こします。 - アミン類
ヒスタミンやセロトニンなどのアミン類も蜂の毒に含まれており、これらはアレルギー反応や炎症反応を引き起こします。
アレルギー反応
蜂に刺されると、一部の人はアレルギー反応を起こすことがあります。アレルギー反応は軽度であれば強い痛み、赤み、腫れなどで済みますが、重度のものは命に関わることもあります。
例えば重度のアレルギー反応として最も危険なのがアナフィラキシーショックです。
これは蜂の毒に対する激しい免疫反応で、呼吸困難、血圧の低下、意識喪失などの症状が急速に進行します。アナフィラキシーショックが疑われる場合は、直ちに救急車を呼び、エピネフリン自己注射器(エピペン)を使用する必要があります。
手当が遅れると、死亡することさえあるのです。
蜂に刺されるのが2度目以降な場合、さらに要注意です。蜂に初めて刺された際、体内の免疫系が蜂の毒に対する抗体(IgE)を作り出します。この抗体は体内に記憶され、再び蜂に刺されると、抗体が蜂毒に迅速に反応し、強いアレルギー反応を引き起こすことがあるからです。
蜂が好む環境の理解

蜂が巣を作る場所や活動するエリアは、特定の環境条件によるものが大きいです。
逆に言えば、これらの条件を理解することで、庭やベランダの掃除や整理整頓による対策が効果的に行えます。
ここでは、蜂が好む環境について詳しく見ていきましょう。
巣作りに適した場所
蜂は静かで安全な場所を巣作りに選びます。特に以下のような場所が好まれます。
- 軒下や屋根裏
屋根の軒下や屋根裏は雨風を避けられるため、蜂が巣を作りやすい場所です。 - 木の枝や茂みの中
樹木の枝や茂みの中も蜂の巣作りには最適です。 - 建物の隙間やベランダの天井
建物の隙間やベランダの天井も蜂にとっては魅力的な場所です。
食物源が豊富な場所
蜂は花の蜜や果物の汁などを食物源とします。食物源が豊富な場所は、蜂にとって魅力的なことは言うまでもありません。
- 花が多い場所
庭に花が多いと、ミツバチやアシナガバチなどが集まりやすくなります。 - 果樹や野菜が実る場所
果樹や野菜が実ると、甘い匂いが蜂を引き寄せます。落ちた果物や腐敗した野菜には注意が必要です。 - その他食べるものが豊富な場所
人間が残した生ゴミなど、食べるものが豊富な箇所には蜂がやってくることもあります。
水源が近い場所
蜂も水を必要とします。毎日の様に、同じ場所に水を飲みに来る……というような現象もめずらしくありません。
そのため、水源が近くにあると、その周辺に蜂が集まりやすくなります。
巣を作られないための具体的な掃除・整理整頓の方法

蜂の危険性や蜂が好む場所が分かったところで、改めて対策方法です。蜂に刺されないようにするためには、自宅周辺で巣を作らせないようにするのが一番。
そのためには、日常的な掃除や整理整頓など、より具体的な対策を講じることが重要です。
それでは、蜂の巣を予防するための具体的な対策方法をご紹介します。
ゴミの掃除・管理
ゴミの匂いが、蜂を引き寄せる要因となることがあります。特に夏になると、室内での腐敗臭を避けるため、ゴミ収集日までの間、庭やベランダにゴミを置いている……という方もいるのではないでしょうか。
屋外にゴミを置かないことが一番ですが、もし置かざるを得ない場合は、密閉容器に入れて適切に処理することが重要です。
また、屋外でゴミが溜まりやすい場所は定期的に清掃し、清潔に保ちましょう。そうすることにより、蜂が寄り付きにくくなります。
食べ物の残りカスを放置しない
食べ物の残りカスや飲み物のこぼれは、蜂にとって魅力的な食料となり得ます。これらを放置しないようにすることが重要です。
暖かい季節、バーベキューなど屋外で食事をする機会は増えますよね。その際も、できるだけ速やかに片付けを行いましょう。テーブルや地面に食べ物の残りカスが残らないようにし、飲み物のこぼれもきちんと拭き取ります。
また、外で犬を飼っている方も地域によってはまだあるかもしれません。地域猫の面倒を見ている方もいるかもしれません。
それらに対し、食べ残しが出るほど、必要以上に置き餌をするのはできるだけ控えましょう。腐敗を避けるためにも有効です。
水たまりを作らない
先ほどの通り、蜂は水を必要とするため、水たまりがあると集まりやすくなります。巣作りも便利になってしまう可能性もあるため、不必要な水たまりを作らないようにしましょう。
雨が降った後などに庭やベランダに水たまりができないように、水はけを良くするのもよいです。傾斜をつけたり、排水口を整備することでも水たまりを防げます。
また、屋外のペットの水飲み場やメダカ等の飼育容器も蜂にとっては水源となります。……が、これについては難しい問題ですね。
庭やバルコニーの掃除・整理整頓

蜂の巣作りを防ぐためには、庭やバルコニーの清掃と整理整頓が欠かせません。
特に気をつけたいのが、不要なものを置かないことです。庭やベランダには物を放置せず、定期的に整理整頓を行いましょう。
特に古い家具や段ボールなどは蜂の隠れ場所になりやすいため、早めに処分することが大切です。
また、庭の草木などにも巣を作ることがあります。庭の草刈りや木の剪定を定期的に行い、蜂が隠れる場所を減らします。
特に蜂が好む茂みや枝が密集している場所は重点的に手入れを行いましょう。
巣作りしやすい場所の封鎖
建物の隙間や穴を修理し、蜂が侵入できないようにします。特に軒下や屋根裏、ベランダの天井、擁壁の水抜き穴などは重点的に点検し、必要に応じて封鎖します。
通気性を保ちながら蜂の侵入を防ぐために、ネットや網を使用することも効果的です。窓や通気口に設置することで、蜂が内部に入り込むのを防ぎます。
花・植物の管理
蜂は花の蜜や花粉を食物源とするため、庭の花・植物の管理も重要です。
庭に植える花を選ぶ際には、蜂が特に好む種類の花(豊富な蜜や花粉がある花)を避けることも一つの対策です。また、花が咲く時期には蜂の活動が増えるため、その期間の管理を徹底しましょう。
定期的なチェック
いくら対策をしていても、一度やったら終わり……ではだめです。思いも寄らない場所に蜂の巣は作られることがあります。定期的なチェックは、蜂の巣作りを早期に発見し、防ぐための重要な手段です。
庭やベランダを定期的に目視点検し、蜂の巣や蜂の活動が見られないか確認します。もし蜂の巣を見つけてしまっても、小さな内であれば対策の選択肢も増えます。
特に春から夏にかけての繁殖期には、頻繁にチェックを行いましょう。
一定以上の蜂の巣を発見した場合や、蜂の活動が頻繁に見られる場合には、専門業者に依頼して対策を講じてもらうことも検討しましょう。専門業者は効率的に蜂の巣を除去し、再発防止策を提案してくれるはずです。
まとめ
蜂の巣を作らせないためには、日常的な掃除や整理整頓に加え、具体的な対策を講じることが必要です。
ゴミの管理や食べ物の残りカスの処理、水たまりの解消、そして庭やバルコニーの清掃と整理整頓を徹底することで、蜂が好む環境を作らないようにしましょう。
また、巣作りしやすい場所の封鎖や植物の管理、定期的なチェックも忘れずに行い、快適で安全な生活環境を維持することが大切です。
蜂の巣が作られると、安らげるはずの自宅が危険な場所になってしまいます。特に7月~8月は蜂が攻撃的になりやすいので、充分に配慮したいものですね。