高圧洗浄機を使いこなそう!知っておきたい基本知識&お掃除方法
あまり知られていないかもしれませんが、10月3日は洗浄の日。千は10の3乗でなので、略して“せんじょう”の日というわけですね。
公益社団法人日本洗浄技能開発協会が制定&一般社団法人日本記念日協会により認定された、れっきとした日本の記念日です。
というわけで洗浄の日が近いこともあり、本ページでは現在広く普及している、家庭用高圧洗浄機について詳しくご紹介したいと思います。
高圧洗浄機を使ったことがない、もしくは何となく使っているよ、という方向けに、基本知識や、お掃除に役立つ具体的な方法について解説していきます。
高圧洗浄機とは!?
高圧洗浄機は、強力な水圧を利用して汚れを洗い流す掃除用具です。一般的な掃除道具とは異なり、高い水圧を利用することで、通常では落とせない頑固な汚れや、広範囲の汚れを短時間で除去できる点が特徴です。
固有の製品名を挙げると、「Kärcher(ケルヒャー)」が最も有名ですね。
高圧洗浄機は、家庭用から業務用までさまざまな種類があり、用途に応じて選ぶことができます。ここでは主に家庭用をメインにご紹介します。
高圧洗浄機の仕組み
高圧洗浄機は、ポンプで水に圧力をかけ、その圧力で勢いよく水を噴射することで汚れを落とします。通常のホースでは得られない強い水圧が、頑固な汚れを効果的に除去します。
水圧は機器の性能や設定によって異なり、家庭用は比較的低い水圧で安全に使えるものが多いですが、業務用になると非常に高い水圧が出せるものも存在します。
高圧洗浄機は、以下のような主要部品から構成されています。
- ポンプ: 水に圧力を加える装置。これが高圧洗浄機の心臓部です。
- モーター: ポンプを動かすための動力源。電気式やガソリン式などがあります。
- ノズル: 噴射する水の形状や強さを調整する部分で、使用目的に合わせて選びます。
- ホース: 水を供給するためのホース。圧力に耐えられる強度の高いものが使用されます。
これらが組み合わさることにより、普通の家庭用水道水でも強力な洗浄力を発揮します。
用途別の多様なノズル
高圧洗浄機の特徴のひとつが、用途に応じたさまざまなノズルを利用できることです。
ノズルによって水の噴射角度や勢いが変わるため、場所や素材に適したものを選ぶことで、より効率的かつ安全に掃除ができます。
- ストレートノズル
強力な直線的な水流を噴射するノズルで、頑固な汚れに直接アプローチします。例えば、コンクリートや石材などの堅い素材に付着した頑固な汚れを落とすのに適しています。しかし、デリケートな素材に使用すると傷をつける可能性があるため、使用場所には注意が必要です。 - ファンノズル
水を扇状に広げて噴射するノズルです。広範囲を一度に掃除できるため、外壁や車の洗浄に向いています。水流が拡散するため、ストレートノズルほどの威力はありませんが、素材を傷つけるリスクが少なく、比較的安全に使用できます。 - ターボノズル
回転しながら噴射されるため、頑固な汚れを効率的に落とせるのが特徴です。タイルやレンガ、コンクリートなど、表面に付着した苔やカビの除去に非常に効果的です。ただし、こちらも強力なため、柔らかい素材への使用は控えた方が良いでしょう。 - 洗剤噴射ノズル
洗剤を混ぜて噴射できるノズルで、特に油汚れや車の洗浄に効果的です。洗剤を事前に塗布することで、汚れが浮き上がり、その後の高圧水流で簡単に洗い流すことができます。 - 延長ノズル
高い場所や手が届きにくい場所を掃除する際に便利なアクセサリーです。例えば、2階建ての家の外壁や屋根などに最適です。延長ノズルを使うことで、梯子を使わずに安全に作業ができます。
高圧洗浄機の使い方
あらゆるお掃除道具に共通することですが、正しい手順で使用しないと機器を故障させたり、周囲を傷つけてしまったりすることがあります。
以下に、高圧洗浄機の基本的な使い方と注意点を紹介します。
- 準備
高圧洗浄機を使う前に、掃除する場所や対象物に応じて、適切なノズルを選びましょう。また、水源にホースを接続し、水がスムーズに流れるか確認します。水が十分に供給されていないとポンプに負担がかかり、故障の原因になることがあります。 - 水圧の調整
掃除する対象によって水圧を調整します。車の洗浄や木材の掃除には低圧で、水圧が強すぎると塗装を剥がしたり、素材を傷めたりする可能性があるため注意が必要です。一方、コンクリートやレンガなどにはある程度高圧で使用しても問題が生じないこともあります。 - 使用中の注意点
高圧洗浄機を使っている最中は、常にノズルの向きに注意しましょう。人や動物、壊れやすいものに直接噴射しないようにします。また、デリケートな素材には十分な距離を保ちながら使用するのが安全です。 - 後片付け
使用後は、ホース内に残った水を抜いてから収納します。特に冬季は、凍結による破損を防ぐためにも水を完全に抜き、乾燥させて保管することが大切です。 - メンテナンス
高圧洗浄機は、定期的にメンテナンスを行うことで長持ちします。フィルターの清掃や、各部品の点検を定期的に行い、異常があれば早めに対処しましょう。
高圧洗浄機を利用する際は、しっかりと手順を守り、安全に使用しましょう。
どんなところに使えるの!?
高圧洗浄機は、家庭での日常的なお掃除においても、用途は多岐にわたります。汚れが付きやすく、手作業では落としにくい場所を中心に使用すると、驚くほど効率的に掃除ができることでしょう。
ここでは、高圧洗浄機が特に効果を発揮する具体的な場所と、その清掃方法について紹介します。
外壁の洗浄
外壁は雨風にさらされ、ホコリやコケ、カビが発生しやすい場所です。
特に北側の壁や日陰になりやすい部分は、苔やカビが付きやすくなります。高圧洗浄機を使うことで、これらの頑固な汚れを短時間で除去できます。外壁の素材に応じて水圧を調整し、特にひび割れや傷んでいる部分には強すぎる水圧を避けましょう。
外壁の洗浄では、ファンノズルを使って広範囲を一度に掃除するのが効果的です。
壁全体に均等に水を当てることで、ムラなく汚れを落とすことができます。また、カビやコケがひどい場合は、専用の洗剤を使ってから高圧洗浄すると、さらに効果的です。
車やバイクの洗浄
高圧洗浄機は、車やバイクの洗浄にも最適です。
ホイールやタイヤ、車体の下部など、手が届きにくく汚れが溜まりやすい部分も、強力な水流で簡単に洗い流すことができます。ただし、車の塗装やバイクのメッキ部分に高圧水を直接当てすぎると、傷が付く可能性があるため、適切な水圧を選ぶことが大切です。
特にホイールや泥汚れがひどい箇所にはターボノズルを使用し、広い面積を洗う場合にはファンノズルを使うことで、素早く作業が進められることがあります。
洗剤を使って汚れを浮かせた後に洗い流す方法も効果的です。
デッキやテラスの掃除
デッキやテラスは、雨や風で泥やホコリが溜まりやすく、苔やカビが発生しやすい場所です。
特に木材でできたデッキは、通常の掃除では汚れが溝に入り込んでしまい、落としにくいことが多いですが、高圧洗浄機を使えば短時間で一気にきれいにすることができます。
木材に強すぎる水圧をかけると表面を傷つける恐れがあるため、水圧は中程度に調整し、素材を傷めないようにしましょう。
木材専用の洗剤を使うと、より効果的な掃除が可能です。
駐車場の清掃
コンクリートやアスファルトでできた駐車場は、泥や油、タイヤの痕跡などで汚れが蓄積しやすい場所です。
高圧洗浄機を使えば、駐車場全体を圧倒的に素早くきれいにすることができます。ターボノズルやストレートノズルを使用することで、頑固な汚れや油汚れも効果的に落とせることでしょう。
油汚れがひどい場合は、油専用の洗剤を併用すると、さらに洗浄効果が高まります。
庭のフェンスや壁の清掃
庭のフェンスや塀は、風や雨で泥が跳ね返って汚れが付きやすい部分です。
また、外に設置されているため、苔やカビが生えることもあります。高圧洗浄機を使うことで、これらの汚れを素早くきれいにすることができます。
特に、木製や金属製のフェンスには、適切な水圧で使用することが重要です。
木材は水圧が強すぎると傷つく可能性があり、金属の場合はサビの原因となることもあるため、やさしく洗浄することが重要です。
ファンノズルで広い範囲をムラなく洗い、必要に応じて洗剤を併用すると良いでしょう。
屋根の洗浄
屋根は、雨や風で常に汚れや苔が溜まりやすい場所です。
しかし、屋根での作業は高所作業となるため、大変危険です。延長ノズルを使用することで、地上から行える場合を除き、一般の方が行うことは推奨されません。
窓や雨戸、シャッターの洗浄
窓やシャッターも、高圧洗浄機を使うことで簡単に掃除できます。
特に、手で届かない高い位置にある窓や、複雑な形状をしたシャッターには、延長ノズルを使って効率よく掃除を行うことができます。こちらも高所での作業は行わないようにしましょう。
なお、窓ガラスに強い水圧をかけすぎると、割れる可能性があるため注意が必要です。適切な距離を保ち、水圧も調整して優しく洗い流すのがポイントです。
雨戸やシャッターは、ファンノズルを使って広範囲を一気に掃除するのが効果的です。
バーベキューグリルやアウトドア用品の掃除
アウトドア用品は、使用後に汚れがこびりつきやすいものが多いですが、高圧洗浄機を使えば簡単にきれいにすることができます。
特にバーベキューグリルは、油汚れや焦げ付きが多く、手作業での掃除は非常に手間がかかります。
高圧洗浄機であれば、強力な水流で焦げ付きや油汚れを一気に洗い流すことができ、グリルのすみずみまで清潔に保つことが可能です。
キャンプ用品やガーデンチェアなどのアウトドア用品も同様に、効率よく掃除できます。
高圧洗浄機の種類と選び方
高圧洗浄機を選ぶ際には、使用目的や清掃する場所に応じて適切なモデルを選ぶことが大切です。高圧洗浄機にはさまざまなタイプや機能があり、それぞれに特有のメリットがあります。
ここでは、選び方のポイントとなる、以下の4つについて解説します。
- タイプの違い
- 圧力の違い
- 用途に応じたノズル選び
タイプの違い
高圧洗浄機には、主に電気式とガソリン式の2種類があります。
それぞれの特性を理解し、用途に合ったものを選びましょう。ご家庭用には、電気式がお勧めです。
- 電気式高圧洗浄機
電気式は、コンセントに接続して使用するタイプです。家庭用としては最も一般的で、取り扱いが簡単です。比較的軽量で音も静かなので、日常的な清掃に向いています。車やデッキ、窓の洗浄など、広範囲にわたるが手軽に使えることから、住宅街やマンションなどの近隣住民に配慮が必要な場所での使用に適しています。デメリットとしては、電源が必要なため、屋外や電源の確保が難しい場所での使用は制限されることです。 - ガソリン式高圧洗浄機
ガソリン式は、電源が不要で、どこでも使用できる点が最大のメリットです。また、非常に高い水圧を発生させることができるため、大規模な清掃や業務用として使われることが多いです。庭や広い駐車場など、広い範囲や頑固な汚れを効率的に洗浄することが可能です。一方で、音が大きく、排気ガスが発生するため、住宅地での使用には注意が必要です。また、電気式に比べると機械が重く、メンテナンスにも手間がかかるため、使う頻度や場所によっては電気式の方が適している場合が多いです。
圧力の違い
高圧洗浄機の性能を決定づける重要な要素の一つが圧力です。
圧力が高いほど強力な水流が得られ、頑固な汚れを短時間で落とすことができますが、清掃する対象によっては圧力が強すぎると損傷を与えてしまう場合もあります。
使用目的に応じて適切な圧力を選びましょう。
- 低圧(70〜100バール程度)
低圧の高圧洗浄機は、デリケートな素材を掃除する際に向いています。例えば、車やバイク、窓ガラス、屋外の家具など、素材が傷つきやすいものにはこの範囲の圧力が適しています。適度な水圧で汚れを除去しつつ、対象物にダメージを与えにくいのが特徴です。 - 中圧(100〜150バール程度)
中圧の機器は、家庭用として最も一般的です。デッキや庭、外壁、フェンスなどの頑固な汚れにも対応できるため、日常的な掃除に広く使用されています。圧力が強すぎると素材が劣化する恐れがあるため、柔らかい素材やペンキが剥がれやすい部分には注意が必要です。 - 高圧(150バール以上)
高圧洗浄機は、コンクリートや石材、工業用の設備など、非常に頑丈な素材に付着した頑固な汚れを落とすために使用されます。業務用として使用されることが多く、個人で使用する際は、洗浄対象の素材が強い水圧に耐えられるかどうか確認が必要です。
用途に応じたノズル選び
高圧洗浄機には、さまざまなノズルが付属しています。
ノズルによって、洗浄効率や洗浄効果が大きく変わるため、希望のノズルがセットになっているものを選ぶと良いでしょう。
ノズルはすでにご紹介していますが、ポピュラーなものだけ再掲します。
- ストレートノズル
水を一直線に強力に噴射するノズルです。コンクリートやレンガなどの堅い素材に付着した頑固な汚れを落とす際に適しています。ただし、デリケートな素材や塗装された表面に使用すると、傷が付く恐れがあるため注意が必要です。 - ファンノズル
水を扇状に広げて噴射するタイプで、広範囲を一度に掃除できます。外壁や車など、広い面積を均一に洗浄したい場合に便利です。水圧が拡散されるため、素材を傷つけにくく、汚れを優しく洗い流すことができます。 - ターボノズル
回転しながら水を噴射するため、強力な洗浄効果が得られます。苔やカビが付着したタイルや石材、頑固な汚れの除去に最適です。非常に強力なため、デリケートな素材には適していません。 - 洗剤噴射ノズル
洗剤を混ぜて水と一緒に噴射できるノズルです。車やバーベキューグリル、油汚れなど、洗剤が必要な作業に向いています。洗剤で汚れを浮かせた後、高圧水で洗い流すと効果的です。
高圧洗浄機の注意ポイント
高圧洗浄機は、非常に強力な道具であり、正しい使い方をしないと危険なことがあります。
効果的に汚れを落とせる一方で、不適切な使い方をすると怪我や事故の原因になることも。ここでは、安全に高圧洗浄機を使用するための重要な注意点を紹介します。
威力を理解する
高圧洗浄機の水圧は、非常に強力であることを理解しておくことが大切です。
家庭用のものであったとしても、簡単に物を破壊できるほどの力があるものもあります。洗浄対象や周囲の環境に合わせて水圧を調整し、適切な圧力で使用することが求められます。
- デリケートな素材への注意
塗装が施された壁や車のボディ、木製のデッキなど、表面が柔らかい素材には、低圧でやさしく洗浄することが重要です。強すぎる水圧を使用すると、塗装が剥がれたり、素材に傷がついたりする可能性があります。 - 距離を保つ
ノズルを汚れに近づけすぎると、対象物を傷めるリスクが高まります。適切な距離を保ち、慎重に作業を進めましょう。
人に向けない
高圧洗浄機の強力な水流は、人に向けると大変危険です。
軽い水流に見えても、非常に高い圧力がかかっているため、皮膚を切ったり怪我をさせたりすることがあります。
以下のポイントを徹底して守りましょう。
- 作業中は人や動物に向けない
水流が誤って人やペットに向かないよう、使用中はノズルの向きをしっかりと管理しましょう。高圧水が直接体に当たると、深刻な怪我を引き起こすことがあります。 - 他人が近くにいる場合の配慮
作業をする場所の近くに人がいる場合は、必ず声をかけて安全を確認してから作業を開始します。特に、小さな子どもやペットがいる場合は、作業エリアに近づかないように注意を払う必要があります。
適切な保護具の着用
万一の際の被害を防ぐため、適切な保護具の着用が強く推奨されます。
以下のような保護具を準備しておきましょう。
- 保護メガネ
高圧水によって飛び散る泥や破片から目を守るために、保護メガネを必ず着用しましょう。特に外壁やコンクリートの清掃では、飛び散る破片が目に入る危険があります。 - 手袋
高圧水流での作業は手に負担がかかりやすく、長時間使用すると手が疲れたり怪我をすることがあります。耐水性の手袋を着用して手を保護しましょう。 - 作業用ブーツ
足元が濡れたり、滑りやすくなったりすることを防ぐため、滑りにくい靴や作業用ブーツを着用するのが安全です。 - 防水エプロンや作業服
長時間の作業では、全身が水で濡れる可能性があるため、防水性能のある作業着やエプロンを着用することをおすすめします。
高所作業はしない
高圧洗浄機で、屋根の汚れを落としていることを見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。自分でもできるのでは……と頭をよぎるかもしれませんが、屋根の上や、その他不安定な場所での使用は絶対にやめましょう。
転落の危険性があり、大変危険です。
専門性の高い行為は、安全面を考慮してプロの業者に依頼するのが良いです。
電源周りの注意
高圧洗浄機は水を使うため、特に電源周りでの取り扱いに細心の注意を払う必要があります。
感電や火災などの事故を防ぐため、以下の点に注意してください。
- 防水仕様のコンセントを使用
高圧洗浄機を使用する際には、必ず防水仕様のコンセントを使用しましょう。通常の屋内用のコンセントを屋外で使用することは大変危険です。また、雨天時や水がかかりやすい環境での使用は避けるべきです。 - 延長コードの取り扱い
延長コードを使う場合は、屋外使用に対応した防水タイプのものを選び、できるだけ短いものを使用してください。コードが水に濡れて感電する可能性があるため、常にコードの状態に気を配ることが重要です。 - 使用後の電源を切る
使用後は必ずコンセントを抜き、水漏れがないことを確認してから片付けましょう。特に長時間使用しない場合は、電源を切っておくことが事故防止につながります。
定期的なメンテナンス
高圧洗浄機を安全かつ長く使い続けるためには、定期的なメンテナンスが重要です。
ポンプやノズルなどの部品は、使用頻度によって消耗するため、定期的に点検し、問題があれば早めに修理や交換を行うことが大切です。
- フィルターの清掃
高圧洗浄機の水フィルターは、汚れやゴミが溜まりやすいため、定期的にチェックし、必要に応じて清掃します。フィルターが詰まると、ポンプに負担がかかり、故障の原因になります。 - ホースやノズルのチェック
ホースに亀裂が入っていたり、ノズルが詰まっていると、圧力が低下したり水漏れが発生することがあります。作業前には必ず各部品が正常に動作しているか確認しましょう。 - 長期間使用しない場合の保管方法
特に冬季や長期間使用しない場合は、内部に残った水を完全に抜き取り、乾燥させてから保管します。水が内部で凍結すると、ポンプやホースが破損する原因となります。
近隣への配慮・マナー
高圧洗浄機は大きな音が出たり、水が飛び散ったりすることがあるため、近隣への配慮が欠かせません。
特に住宅地やマンションなど、人が密集している場所では、次の点に気をつけましょう。
- 作業時間の確認
高圧洗浄機の音は思った以上に響くため、早朝や夜間の使用は避け、近隣の迷惑にならない時間帯に作業を行いましょう。多くの地域では、午前中から午後の早い時間にかけて作業するのが一般的です。 - 水の飛散に注意
高圧洗浄機を使う際は、水や泥が飛び散る可能性が高いため、周囲に配慮が必要です。特に近隣の家や車、洗濯物に水が飛ばないよう、風向きやノズルの向きに気をつけて作業しましょう。洗浄エリアの周りにシートや防水カバーを設置するのも一つの方法です。 - ご近所への声掛け
大規模な掃除や音が出る作業を行う際には、事前に近隣住民に一言声をかけると、ご近所トラブルの防止につながります。事前・事後の丁寧な対応が、良好な関係を保つために重要です。
家庭用高圧洗浄機で自分でエアコンクリーニングできる?
プロに依頼するエアコンクリーニングは比較的費用がかかるため、家庭用の高圧洗浄機で自分で掃除できないか……と考える人も多いです。
しかし、結論から言えばお勧めはできません。ここでは、なぜお勧めできないかを解説します。
論理的には可能
論理的には、家庭用高圧洗浄機を使ってエアコン内部の熱交換器やフィンに溜まったホコリや汚れを落とすことは可能です。
高圧洗浄機の強力な水流で、エアコン内部の隙間に入り込んだ汚れを効率よく洗い流すことができるため、一見すると便利そうに思えます。特にエアコンの外部やフィルター部分は、簡単に掃除できるため、洗浄の効果を実感しやすいかもしれません。
故障するリスク
しかしながら、エアコンの内部には精密な電子部品や配線が多数存在します。
これらの部分に水がかかると、故障や短絡(ショート)の原因になる可能性がり、以下のようなリスクが考えられます。
- 水による電子部品の損傷
エアコンの内部には、制御基板やセンサーがあり、これらの電子部品は水に非常に弱いです。高圧洗浄機の水流が思わぬ方向に飛び散り、内部の電装部品にかかってしまうと、重大な故障を引き起こす可能性があります。特に高圧で水をかける場合、水が細かい隙間にまで入り込むリスクが高まります。 - カビやホコリの飛散
高圧で内部を洗浄すると、汚れやカビが飛び散り、逆に部屋中に広がってしまうことがあります。 - 熱交換器やフィンの損傷
高圧洗浄機の水圧が強すぎると、エアコン内部の熱交換器やフィンを変形させたり破損させたりする可能性があります。フィンは非常に薄く繊細なため、力強い水流でダメージを受けると、冷却効率が低下し、エアコンの性能が著しく落ちることがあります。
修理費用が高額になる可能性
高圧洗浄機を使ってエアコンクリーニングを行った結果、万一、エアコンが故障した場合、メーカーの保証は受けられない可能性があります。
ひいては修理費用が全額自己負担となる可能性もあります。高価なエアコンであれば、その修理費用は非常に高額になってしまうかもしれません。
そのため、もし自分で作業を行う場合は、それらのリスクを承知の上、自己責任で行う覚悟が必要です。
結論:プロに任せるのが安心!
これらの理由から、家庭用高圧洗浄機でエアコンクリーニングを行うことは理論的には可能ですが、リスクが非常に高いため、お勧めはできません。
是非弊社のエアコンクリーニングのような、プロのサービスの利用をご検討ください。弊社は創業から20年間、エアコンクリーニングの作業台数5000台以上の実績がありますので安心してご利用いただけます。
まとめ
以上、10月3日の洗浄の日を目前に、高圧洗浄機についての情報をご紹介しました。
現在は家庭向けの高圧洗浄機が手頃なお値段で手に入る良い時代です。特に一戸建て住宅では威力を発揮することも多く、すでにお持ちの方も多いと思います。
本ページをご覧いただいたことをきっかけに、高圧洗浄機に興味を持っていただいたり、より使いこなしていただければ幸いです。